3000人以上の経歴書を見てきたエージェントが本気で、書類通過率の高いスキルシートを考えてみた。
こんにちは。ぶっちゃけエージェントの鈴木です。
以前、「エンジニアが希望の案件に参画するために必要なこと」というテーマでnoteを書いたのですが、思いの外反響が多かったので、今回はスキルシート作成に焦点を絞って、
書類選考通過率が高いスキルシートのポイント
をまとめてみました。
・サマリー編
・プロジェクト記載編
としています。
現在、フリーランスで働いている方、これから転職活動を検討している方は、参考になると思いますので是非読んでみてください。
まずは事前準備編。
【事前準備編】適切なフォーマットを選ぶ
一番はじめに考えるべきもので、一番重要なものがどのフォーマットでスキルシートを作成するか、です。
細かくいうと、Wordフォーマット、EXCELフォーマットの2つに分けられるかと思いますが、
・コンサルやPMはWordフォーマット
が個人的にはおすすめです。
エンジニアの場合は、書類選考の際に
・開発工程はどこから可能なのか(アジャイル開発はできるのか)
を見れます。そのため、スキルシートを見たときにパッと見て、これらの情報を把握することのできる一覧性が重要になってきます。以上を加味すると、技術スタックと開発工程が含まれたEXCELフォーマットが適しているといえるでしょう。
一方でコンサルやPMの場合は、どんな技術を扱ったか等よりも、
・プロジェクトの業種や規模感
が重要になってきます。つまり、EXCELで開発環境をわかりやすくまとめるより、Wordファイルで、どんな背景のプロジェクトだったか、どういうステークホルダーがいて、どんな役回りを担っていたか等を詳細に記載していった方がよいでしょう。
もし、手元にフォーマットがない場合は、エージェントに複数社登録して、フォーマットを集めると良いかと思います。
※下記URLより、弊社のEXCELフォーマットはダウンロードいただけます。
【事前準備編】希望の技術/内容に関連したプロジェクトを厚く記載する
フォーマットが決まったら、次にやるべきはターゲットに置く企業/案件を決めることです。
よくエンジニアの皆さんがやりがちなのが、自分が経験してきた内容をただスキルシートに落とし込んでいく。というパターンです。
今まで経験してきた業務と、同じような企業/案件への参画を目指す場合は、それで問題ないのですが、スキルアップ・スキルチェンジをしたい場合は話が変わってきます。
例えば、サーバーサイドメインで経験を積んできたけれど、フロントエンドエンジニアとしてキャリアを伸ばしていきたい方などよくいらっしゃると思うのですが、その場合はフロントエンド開発に関連した経験を主にアピールする必要があります。
当たり前といえば当たり前なのですが、この希望の企業/案件に寄せたスキルシートを作成する、という考え方ができていない方は意外と多いのです。
【サマリー編】スキルサマリーを作る
経験してきたプロジェクトごとに、細かく記載することも重要なのですが、経験が豊富であると、そのボリュームも大きくなってしまいます。
そこで効果的なのが、スキルサマリーを作ることです。
具体例でいうと、こんなかんじ。
【サマリー編】GithubやQiitaなどソースコードがわかるものを記載する
サマリーにGithubやQiita等のURLをリンクが貼ってあると評価がされやすい、ということもあります。
経歴だけじゃなくてソースコードも見て、書類選考をしたいという企業が、特にWebサービス系の企業に多く、Web開発エンジニアの場合は、もしアピールに繋げられるポートフォリオや、個人開発の実績等があれば、スキルシートに盛り込むとよいでしょう。
【プロジェクト編】扱ったシステムの概要テキストをいれる
サマリーを整えたら、いよいよメインとなる、プロジェクトごとの経歴記載です。
まず一番始めに記載をしてほしいのが、開発したシステムの背景やどんな目的で作られたシステムかです。例えばこんなかんじ
よくビジネスコミュニケーションの「結論から伝えることが大事」という話と同じで「システムの目的」を伝えることで、相手も全体像を理解することができます。すると、多少情報が足りなくても「〇〇の目的の元に作られたシステムだから、こういうことだろう」と勝手に情報を補完してくれたりします。
よく、
・基本設計
・詳細設計
・実装
・テスト
【プロジェクト編】チームの規模と役回りをいれる
例えば同じECサイト開発案件だったとしても、100人と2,3人だと仕事の進め方は全く違いますし、同じ10人チームで行っていた開発でも、リーダーかメンバーかでも全く異なってきます。
特に同様の業務を希望しない場合以外は、下記内容は積極的に経歴書にいれるとよいでしょう。
・リーダーとまではいかなくてもメンバーを教育/ソースレビューした経験
・エンドユーザーや非エンジニアサイドと折衝して要件をすり合わせた経験
【プロジェクト編】使用した技術のバージョンをいれる
まずは、使用した技術のバージョンを入れること。実はこれをやることで、新しいverや、志望している現場のverとマッチした経験があることがアピールできるだけでなく、技術に対しての積極性や技術選定の能力のアピールにもつながるのです。
どういうことかというと、基本的に現場で言われた環境で、言われたverで受け身で開発を進めていたエンジニアは、何のverを使っていたのか答えられないケースが多いですが、技術選定に関わっていたり、現場の技術に対して強い関心がある方はverまで記憶しているケースが非常に多いです。(私のお会いしたエンジニアさんの中でも優秀な方はほとんどがverまで把握しておりました。)
そのため、高い技術レベルを求める現場であればあるほど、verの記載をするのが望ましいでしょう。
【プロジェクト編】希望の技術を先頭に持ってくる
ここはかなり単純な話ですが、アピールしたい技術は先頭に持ってくることをおすすめします。
これは体感でもあるのですが、経歴書を読む際、選考する方の視線はおおよそZ型で動いていくため、左かつ上に記載されているキーワードが拾われやすく、重要と認識されやすい傾向があります。
よく、
CSS
PHP
Go
【プロジェクト編】同一の会社の案件はまとめて記載する
これはエージェント業をやっているとわかることなのですが、特にフリーランスで仕事を探している場合、短期案件が続いているエンジニアはかなり避けられる傾向が強いです。
理由としては、自社の案件に参画後もトラブルになって短期で契約終了してしまう。裏を返すと長期で契約してもらえなかったのには何か理由があるのではないか?と企業は思ってしまうからです。
ただ、受託会社で複数案件を掛け持ちしたり、副業で小規模案件をこなしたりすることはよくあったりするので、そういったものは1つのプロジェクトにまとめて記載したり、※1~3番は同一現場です等の文言を追記して、短期で契約を切られてしまったわけではないということを強調すると書類通過率を落とすリスクを減らすことが出来ます。
【プロジェクト編】ブランク・短期終了案件がある場合
前項の理由で短期終了案件は忌避される傾向があるのですが、ブランクも同様の理由で書類で切られやすくなってしまいます。
理由としては、業務にブランクがあるからキャッチアップ大丈夫か?という要素もあるのですが、主として「体調を崩してブランクになってしまったのでは?うちの案件に入った後もいきなり来れなくなってしまう?」という疑念を企業側が持ってしまうためです。
では、ブランク・短期終了、それぞれどのように対策をとっていけばよいのか。
まずはブランクについてですが、別業種で働いてたけれどITに関連しないので経歴書には記載していなかったや、ただ休暇をとっていた等の場合は、しっかりとその旨を企業に伝える必要があります。方法としては、経歴書に別業種の経歴もさらっと記載しておくか、ブランクの理由についてコメントをいれておくとよいでしょう。
そして、実際に体調を崩してしまってしまった場合などには、どんな形でも構わないので安定して働いた実績を作ることが重要です。例えば、アルバイトといった形でも週2,3の就業からスタートして週5安定して働ける状態まで回復している。といった実績があると、企業の懸念も0とまでは行かないまでも、晴らすことができるでしょう。
次に短期終了案件が続いてしまった場合。同一の現場の場合は、前項に記載したように項目をまとめるとよいのですが、そうでない場合は下記の2点が重要となってきます。
・短期終了理由の明記
まず前提として短期終了が続いてしまったということは、何かしらのアンマッチがあったはずですので、今までの希望条件から変更が必要です。例えば経験が不足していたのであれば、希望金額や役割のハードルを下げたり、人間関係がマッチしていなかったのであれば、役回りや参画先の業種等を変えたりといったように。
そして、その上で短期終了理由を明記することです。企業に対してマイナスな印象になるだけじゃないの?と思って記載しない方が多いのですが、短期案件が続いているだけでもう既に印象はマイナスとなっているんです。
だからこそ、
「前の案件は〇〇という理由で終了になってしまったけれど、今回は△△とう条件に修正したので大丈夫です」
というメッセージが必要となってくるのです。
※全体のまとめ画像
最後に〜お手本になるスキルシート例〜
いかがでしたでしょうか?3000人以上のスキルシートを見てきた中で感じたノウハウを一気に詰め込んだので、結構なボリュームになってしまいましたが、これらのポイントさえ抑えれば書類選考通過率が2倍になること間違いなし!?というくらいの自負はあります。笑
最後にはなりますが、僕が拝見したスキルシートの中で上記全てを満たしているわけではないものの、よく作り込まれてるなあ(どこから目線笑)と感じた方のスキルシートの事例を共有いたします。※本人には許可を得ています。
よろしければスキルシートづくりのご参考としてください。
記事を書いた人
鈴木昂志
ROSCA株式会社。取締役。 エンジニア専門でキャリアアドバイザーやってます。 エンジニアキャリア/組織論/その他自己啓発系の発信をしていきたいと思います。 Twitterもやってるので、よろしければフォローお願いします! https://twitter.com/ca_tkc