ROSCAのスキル別単価一覧公開してみた。
こんにちは。ぶっちゃけエージェントの鈴木です。
最近、リリースした弊社サービスを通じて多くのフリーランスエンジニアの方とお話する機会があるのですが、
フリーランスエンジニアがどんなキャリアを歩んでいくか考えていく上で、どの開発言語を扱うかってとても重要なポイントですよね。
「みなさんも最近〇〇の言語が流行ってる」
「◯◯テックの案件を見るとこのスキルが単価が高い」
とか各々のやり方で情報収集をしているかと思いますが、実際にクライアントが、どのスキルに、どのくらいお金を払っているのかを把握してるフリーランスがどれくらいいるでしょうか?
僕らエージェントは1日あたり1000件以上の案件情報が入ってくるので、当たり前に把握しているのですが、この情報って本来エンジニアも知っておくべき情報だと僕は思うのです。
そのため、弊社が実際に社内で使用している市場単価表を公開しちゃおうと思います。笑
パートナー企業を介して受注するケースも想定しているため、全てがクライアントの支払っている金額ではありませんが、その分非常にリアルなエージェントの受注金額であるとも言えます。
自分の立ち位置はどこなのか、この記事を通して正確に把握しましょう。
【社内資料】言語別単価マトリックス
上記が弊社内で使用している言語別単価マトリックスです。
大きくスキルは
✅ 開発スタイル
✅ 開発工程
の3つで軸を定めることができます。細かい金額は表を実際に見ていただければと思いますが、金額が高いスキルには2つの特徴があると言えます。
1点目は、モダンな環境/Webサービス開発経験がある方が金額が高くなりやすい、という特徴です。
例えばウォーターフォール開発であれば、要件定義や基本設計等上流の工程を経験しないと、単価が高くないのに対し、アジャイル開発経験があれば単価が出やすいことがわかります。そして、アジャイル開発が用いられる事が多いのはWebサービスの開発なのです。
また、比較的モダンと呼ばれる技術が単価が出やすくなっている傾向があります。これはWebサービスにおける開発は、レガシーな技術が用いられることは少ないので、最近エンジニア界隈でトレンドとなっている技術の金額があがりやすくなるのです。
2点目は開発工程が上流になるほど金額が高くなりやすいという特徴です。これはウォーターフォール開発における特徴ですが、要件定義や基本設計になるほど業種の知識やシステム全体を理解する能力等が求められるため、単価が出やすくなります。
そのため、仮にSIerにおいて、レガシーな開発環境で業務に従事していたとしても、要件定義や基本設計等上流の経験をもっていれば、市場価値を高く保つことができるわけです。
減額されてしまうポイントとは?
前項で共有した表ですが、もちろん全てこの表に準じて判断がされるわけではありません。特殊なスキルや専門性の高いスキルをもっていれば単価表以上の金額で受注することももちろん可能ですし、その逆もまたしかりです。
その中でも大きく市場価値が引き下げられるポイントが3つあります。それは、
✅ 経験年数ディスカウント
✅ 年齢ディスカウント
✅ ブランクディスカウント
です。
まず、経験年数ディスカウントとは、単純な話で以下に上流工程や、アジャイル開発を経験していたとしても、年数が浅ければそこまで単価はでないよね?という話です。
具体的には3年がひとつの目安となっていて、1年経験の場合は20~25万ディスカウント、2年経験の場合は15万程度のディスカウントが入ります。
そのため、例えば
・アジャイル開発経験
・経験年数2年
そしてここからマージンが差し引かれる(ROSCAフリーランスの場合10万円)ので、本人への支払金額は45~65万(税別)となるわけです。
次に年齢ディスカウントです。こちらは年齢が若い場合でも経験年数がある程度あれば、特に影響は出ないのですが、逆に年齢が50歳を超えてくると単価にディスカウントが入ります。
具体的な金額としては目安10~15万(税別)といったところでしょうか?
なぜこのような事が起きるのかというと、フリーランスの案件市場には、「50歳の壁」というものがあるからです。
※詳細は下記記事参照。
新しい技術や、システムの仕様へのキャッチアップ能力
コーディングスピード
等様々な理由で、案件には年齢制限をかけられているものが多く、9割5分以上の案件が「〜40代まで」となっているのです。
そのため、書類通過率が50歳を超えた時点で著しく下がってしまうため、「他のエンジニアよりも安いエンジニアで発注できますよ」等のオプションを付ける必要が出てきます。
そしてその結果、年齢ディスカウントが発生してしまう、というわけです。
最後に、ブランクディスカウントです。直近体調を崩してしまった等の理由で、6ヶ月以上のブランクが空いてしまうと発生するものです。
具体的な金額としては、15~20万(税別)でしょうか。そもそもの話になるのですが、まずブランクがある場合推薦できる案件数がぐっと絞られてしまいます。
理由としては企業側もPJの途中で急に離脱が発生するリスクを懸念しているケースが多く、「離脱リスク」を非常にシビアに判断しているためです。
そのため、離脱リスクがある分、金額はこれくらいに落とすのでどうですか?といった提案が必要となってくるわけです。
個人的に「それってどうなの?本質的じゃないよね?」と思うことも多々あるのですが(笑)、結局は市場の考えを大きく変えることはなかなか難しいので、大事なのはその現実を把握した上で、どんな戦略を取るのか、ですね。
スキルチェンジを狙うための戦略
さて、その戦略のひとつとしてあるのが「スキルチェンジ戦略」です。
スタンダードなのは、「開発スタイル」を変えていくこと、また「開発工程」を上げていくことです。言うまでもありませんが、より上流の工程を経験したり、アジャイル開発経験を積むことで単価アップにつながります。
ここは誰もが取り組んでいることですし、特に難しい戦略ではありません。
ここで語りたいのは、メインの「開発言語」を市場価値の高い言語にスイッチするための戦略です。「開発言語の壁」はエンジニアの方が想定してる以上に高く、基本的にフリーランスエンジニアが今の自分の市場単価をキープしつつ、未経験の言語にチャレンジできる、ということは滅多にありません。
そこでスキルチェンジをするためにとれる選択肢は3つあります。
✅ 単価を大きく下げて業務委託案件を受注する
✅ 正社員で求人を探す
✅ 副業で探す
まずは、単価を大きく下げて業務委託案件を受注する方法です。これはシンプルに「未経験の技術で自分の勉強も含まれるので、単価を下げます。だからお仕事請けさせてください。」という交渉を行う、ということです。
金額の下げ幅としては、交渉次第にはなるのですが、10~20万(税別)の減額は覚悟して探す必要があるでしょう。また、大手のエージェント等はこうした柔軟な交渉ができるケースは少ないため、小規模系のエージェントを通じてコネクションが深く築けている顧客に打診することをおすすめします。
2点目は正社員で求人を探す、という方法です。企業側が正社員で採用を行う場合、長く働いてもらう前提で雇用を行うため、従業員としてのエンジニアは「成長投資」を受けることができます。
そのため、企業側も
「未経験の技術だから序盤は教育コストを払うことになるけど、後々活躍してくれるから利益を回収できる」
と判断しやすくなるため、未経験の技術にチャレンジをする前提でも、雇用してもらいやすくなる、とういわけです。
3点目は、副業で探す、という方法です。最近副業のマッチングプラットフォームが流行ってきているなど、副業が活性化しているからこそ、とれるようになった手段ですが、必ずしもメインの業務でしか実務経験を積めない、という時代は終わりつつあります。
ある程度(目安3~4年くらい)開発のバックグラウンドがあれば、副業である程度その言語の特徴を掴んで、その経験を武器に案件を取りに行く、ということも現実的に可能となります。
まだ、実践されてる方は多くはありませんが、だからこそトライしてみる価値があるのではないでしょうか。
まとめ
✅ 経験年数ディスカウント
✅ 年齢ディスカウント
✅ ブランクディスカウント
✅ 単価を大きく下げて業務委託案件を受注する
✅ 正社員で求人を探す
✅ 副業で探す
いかがでしたでしょうか?あなたは現在、市場のどの立ち位置にいましたか?
私個人的に思うところとしては、キャリアの戦略を考えていく上で、まず大事なのは自分の現在値を把握すること、だと考えています。
そこがわからないとゴールまでの距離も道のりもわからないからです。この記事を通じて少しでも多くの方が自分のキャリアを整理するきっかけになればいいなと思いますし、もっと深く相談したい、考えたいという方がいらっしゃれば、是非ROSCAフリーランスにご登録ください!
私含むベテランキャリアアドバイザーが、ご一緒にキャリアプランを考えます。
記事を書いた人
鈴木昂志
ROSCA株式会社。取締役。 エンジニア専門でキャリアアドバイザーやってます。 エンジニアキャリア/組織論/その他自己啓発系の発信をしていきたいと思います。 Twitterもやってるので、よろしければフォローお願いします! https://twitter.com/ca_tkc